Preamble 2 艇の間に規則 20 または 21 が適用される場合には、A 節の規則は適用されない。

・Overview D 節では、幾つかの航路権とその他の雑多な規則を定めている。
・Basic 規則 20 または規則 21 のいづれかが適用される場合は、 A 節の通常の航路権規則は適用されない。
・Related A 節の規則は基礎であり、以下の場合を除いて、常に適用される。 (1) C 節の規則により修正される場合、 (2) C 節の規則により、特に取り消される場合、または、 (3) 規則 20 または 21 が適用されることにより、取り消される場合。
20 スタートの誤り; ペナルティーの回転; 後進
規則 29.1 または規則 30.1 に従い、スタート・ラインまたはその延長線のプレ・スタート・サイドに向かって帆走中の艇は、 プレ・スタート・サイドに完全に入るまでは、そうでない艇を避けなければならない。 ペナルティーの回転を行っている艇は、そうでない艇を避けなければならない。 セールを逆に使って後進している艇は、そうでない艇を避けなければならない。


・Overview 規則 20 は、一方の艇が、リコールにより再スタートのため復帰中、ペナルティーの回転を実行中、 または、後進中である場合、どちらの艇が航路権を有するかを規定している。 定義に含まれる用語: 避ける
・Basic (1) 規則 29.1(スタート時、コース・サイドにいる場合) により再スタートのために復帰中であるか、 (2) 規則 30.1 (I 旗規則) [ラウンド・ジ・エンド・ルール]により、 クリアするためにプレ・スタート・サイドへ帆走中の艇は、 復帰中でない他の艇を避けなければならない。 この義務は、その艇がラインのプレ・スタート・サイドに完全に復帰するまで継続する。
規則 31.2(マークとの接触) または規則 44.2(720度回転ペナルティー) に従って回転を実行中の艇は、 そうでない他の艇を避けなければならない。 従って、ペナルティーの回転を行っている艇に対して、そうでない全ての艇は、航路権を持っている。 しかし、規則 31.2 または規則44.2 によりペナルティーの回転を行う艇は、 他の艇から充分離れた後、ペナルティーの回転を行うのが義務であるから、 この規則は、頻繁には適用されないであろう。 もし、その艇がその義務を正しく実行したのであれば、 その近くには、避けなければならない艇はいないはずである。
セールを逆に使って後進している(水に対して後方へ動いている)艇は、他の艇を避けなければならない。 もし、ある艇が水に対して後方へ動いてはいるが、セールを逆に使ってはいないならば、 規則 20 は適用されず、A 節の通常の航路権規則が引き続き適用される、 という点に注意されたい。
・Advanced 一方の艇に規則 20 が適用されている時は、A 節の通常の航路権規則は、適用されない。 しかし、2 艇が共に規則 20 の適用を受けている場合(例えば、2艇共リコールして復帰中の場合)は、 A 節の通常の航路権規則が、この 2 艇に対して(ただし、この 2 艇の間に関してだけ、) 引き続き適用される。
規則 20 は、ラインのプレ・スタート・サイドに戻らなければならない艇が、 そうするためにコース変更を開始した時から、その艇に適用される。 その時、その艇は、それまで持っていたならば航路権を失い、 その艇自身の行動によって航路権を失ったのであるから、 規則 15(航路権の取得) により、他の艇は、その艇に"避けるためのルーム"を与える必要はない。 従って、その艇は、他の艇を"避けるためのルーム"を確保できるように、 充分注意して行動しなければならない。
21 転覆、投錨または座礁; 救助
艇は、できる限り、転覆している艇、転覆した後コントロールを回復していない艇、 投錨もしくは座礁している艇、または危険な状態にある人員または船舶を救助しようとしている艇を 避けなければならない。 艇のマスト・ヘッドが水中にある場合、艇は転覆しているという。


・Overview 規則 21 は、転覆、投錨、座礁または他艇を救助している艇の扱い方を規定している。
・Basic この規則によると、艇は、転覆している(または転覆した後コントロールを回復していない)、 投錨または座礁している、または救助している他の艇を、よける(avoid)よう努力する義務がある。 転覆は、艇のマストヘッドが水中にある状態であると定義されている。
・Advanced 規則 21 による義務は、このような艇を"よける(avoid)"ことであり、 "避ける(keep clear)"ことではない点に注意されたい。 これは、他の艇が君の直前で転覆したのであれば、その艇は航路権を持っていないため、 君は"避けるためのルーム"を求める権利はない (事実、規則 21 が適用されている時には A 節の規則は適用されないのであるから、 いずれの艇も相手に対して航路権を持たない)。 しかし、君は、"可能であれば"その艇をよける義務だけを負っているのであり、 問題は生じない。
22 他の艇に対する妨害
22.1 常識的に可能ならば、レース中でない艇はレース中の艇を妨げてはならない。

・Overview 規則 22.1 は、スタートの前またはフィニッシュの後で、 他のレース中の艇を妨害することについて規定している。 定義に含まれる用語: レース中.
・Basic レース中でない艇は、一般的には航路権規則に違反しても罰せられない。 その例外が規則 22.1 であり、レース中でない艇はレース中の艇を妨害してはならない、 と述べている。 航路権規則に違反しなくても、他の艇を妨害したことで罰せられることもある。 例えば、ある艇が、風上のフィニッシュ・ラインでフィニッシュした後、 フィニッシュ・ライン上またはいづれかのレイラインの近くで、うろうろしているならば、 その艇は、レース中の艇の風を乱して"妨害した"ことになるかも知れない。
この規則が適用できるかどうかを決める際に、この規則はレース中でない艇とレース中の艇の間に対してのみ適用される、 ということを想起することが重要であり、 従って、"レース中"の定義が非常に重要である。 定義の抜粋 - パート 2"レース中" を見られたい。 レース中の艇は、他にレース規則を破らなければ、レース中の他の艇を"妨害"することができる。 しかし、その行為がスポーツマンライクでないと見なされるならば、 君は規則 2(公正な帆走) に違反したことになる点に、注意しなければならない。
22.2 艇は、ペナルティーの回転を行っている艇を、遅らせる目的で故意に妨害してはならない。

・Overview 規則 22.2 は、ペナルティーの回転を行っている艇に対する妨害について規定している。
・Basic この規則によると、他の艇が、規則 31.2(マークとの接触) または規則 44.2(720度回転ペナルティー) によるペナルティーの回転を完了できないように、意図的に、その艇を追いかけたり、 その進路に入ったりできない。 しかし、君が以前のコースを維持することは、 たとえそれが、ペナルティーの回転を行っている艇にコース変更をさせることになったとしても、 何ら問題はない。 規則 31.2 または規則 44.2 によりペナルティーの回転を行う艇は、 他の艇から充分離れた後、ペナルティーの回転を行うのが義務である。 従って、他の艇を避けることは、ペナルティーの回転を行う艇の第一の義務である。
・Advanced この規則の述べる所は、ペナルティーの回転を行うのを妨害するために、 その艇を追いかけてはならない。

First Edition, March 1997
Copyright (c) 1997 Arthur Engel, All Rights Reserved